前回に引き続き、テルコムの酸素室(酸素ハウス)をレンタルした感想や気づいた事などを書いていこうと思います。
前回の<その1>では酸素室の大きさやレンタル品について書きましたが、<その2>では酸素濃縮器の音の事や、酸素室から自力で出られるようにつけたビニール製の扉について書きたいと思います。
酸素濃縮器について
酸素濃縮器の音について(ちょっとうるさいかも?!)
酸素室をレンタルすると当然、酸素濃縮器もついてきます。
通常は酸素室(ケージ)のそばに酸素濃縮器を置くのですが、うちは置いていません。
なぜならいつも寝る部屋に酸素室を設置しているのですが、酸素濃縮器の音が思ったよりうるさかったからです。
どんな音がするのか、酸素濃縮器の音を録ってみました(音が小さいのでボリュームを上げて下さい)。
ちょっとわかりずらいですが、シューっという音と一緒に「ドックン」「ドックン」という心臓の鼓動のような音が一定の間隔で聞こえるんです。
動画では小さな音ですが、実際は壁が薄いと隣の部屋まで聞こえるくらいけっこうな重低音で、私はこれがダメだったので別の部屋に移動させることにしました。
音に関してはネット上でも大丈夫という人とダメだという人と結構分かれるようですね・・・。
早速、酸素濃縮器を移動させよう!
というわけで、酸素濃縮器を移動させることにしました。
が、しかし。
この酸素濃縮器の重さ、なんと21kgもあるんです。けっこう重い・・・。
はてさて、どうしたものか?と思いましたが、そこは大丈夫!
ちゃんと移動することを想定して工夫されていました。
移動を想定して工夫されていたこと
- 重たい本体にはキャスターがついているので、ゴロゴロ転がして楽に移動させることができるようになっている
- また、ホースは「9m」まで延長することができるので、かなりの広範囲の部屋に移動させることが可能になっている
この工夫のおかげで楽に別の部屋へ移動させることができ、夜寝る時も全く音を気にせずに寝ることができました。
音だけじゃなかった!いろんな問題も
意外と部屋が暑くなる
ちなみに音の問題の他に、熱の問題もあります。
本体から出る排熱がけっこう熱くて、部屋の温度は上がります。寒い時期は気にならないかもしれませんが、夏は特に暑さを感じました。
酸素室のそばに置いておくと酸素室まで熱くなるので、場合によっては離したほうがいいかもしれません。
悩ましい!ホースとドアをどうするか
あと、意外と簡単にできた酸素濃縮器の移動でしたが、1つだけ困ったことがおきました。
それは、延長したホースとドアの兼ね合いをどうするかです。
つまり、延長したホースをドアで挟んだりすると酸素が供給できなくなるので、ドアを閉めることができなくなります。
うちは今の所、常にあけっぱなしにしてありますが、今はよくても冬はどうするか(ドアが閉められないと寒いので)ちょっと考え中です。
(追記:結局冬になる前に、体調が良くなり酸素室を返却してしまったので、この問題は未解決のまま終わってしまいました)
酸素室に透明の扉をつけてみた
前回も書きましたが、うちの犬はケージに入る習慣がなかったため、酸素室に入るのはあまり好きじゃありませんでした。
体調がちょっとだけ悪いときはホースを口元にあてて酸素を吸わせていましたが、もっとしんどくなるとホースだけでは追いつきません。
なのでその時はケージに入れましたが、やっぱり居心地は悪い様子。
最初はおとなしく入ってくれるんですけど、(恐らく体調が悪いので酸素の濃い環境が楽だとわかっておとなしく寝ていたと思われます)ちょっと回復してくるととたんに外に出たがるようになりました。
あと、少し肺水腫になりかけていたので、水分を出すのに利尿剤を飲んでいたのですが、酸素室の中にペットシーツをひいてはいるものの、やっぱり環境が違うためかなかなかトイレをしてくれず、そこも気になっていました。
作ってみた!ビニールのれん
そこで、自分で出入りできるドアが作れないものかと思い、作成したのが「ビニールのれん」でした。
少し厚めのビニールに縦に切れ目を入れたものを3枚作り、なるべく互い違いになるようにずらして重ねてみました。
こうすることで、出入りするときに一枚がめくれても二枚目、三枚目がずれているのですき間をなるべく作らないようにして、中の濃縮された酸素をなるべく外に出さないようにしてみました。
うちの犬は最初は警戒していましたが、一度外へ出てみると慣れたようでそのあとは勝手に出入りしていました。
いろいろ手を加えるなら酸素濃度計は必需品!
あと、のれんを作るにあたって、酸素濃度計が非常に役に立ちました。
酸素濃度計ってなに?<酸素室と酸素濃度について>
酸素室は、 通常の酸素濃度(21%)よりも濃い酸素を満たすことによって、病気のペットが少しの呼吸でもたくさんの酸素が吸えるように設置するものです。
獣医さんの指示がなければ酸素室は通常30~38%ぐらいの酸素濃度に調節することになります。その調節に必要なのが酸素濃度計です。その名の通り酸素の濃度を測ることができます。
テルコムは設置する時に31%ぐらいになるように調整してくれまますすが、希望すれば有料(100円/1日)でレンタルできます。
ただ設置の時に聞いた話だと、注意点さえ守れば設置した時の濃度に保つことができるはずなので、レンタルしない人もいるそうです。なのでここはお好みで。
ビニールのれんで酸素濃度はどうなる?
ビニールのれんにしたことで酸素室の密閉性は変わってしまったので、再度、酸素濃度計で濃度を測ってみることにしました。
ちなみに酸素濃縮器の電源を入れ、酸素濃度が30%以上になるまでの時間は、テルコム製中型ケージの場合通常使用(設置された時のままの使用)で、約20分かかります。
通常の酸素濃度は21%です。
20分後計測した結果・・・
28.9%しか上がりませんでした。
そこで、ビニールのれんの上からブランケットをかぶせて続けて計測。
すると
32.4%まで上げることができました。
ビニールのれんだけだともう少し工夫が必要ですが、ブランケットをかぶせばなんとかなるようです。
うちはブランケットをかぶせると嫌がったので、ビニールのれんだけで過ごしていましたが、体調が一番悪い時はのれんは使わず、しっかりと扉を閉めて回復につとめ、体調がすこし良くなり本人が酸素室から出たいと言うようになったら、のれんを使いました。
注意していただきたいのでもう一度書きますが、体調の悪い時はのれんは使わない方がいいと思います。
また、酸素濃度計が手元にない時は濃度の判断がつかないのでのれんの作成はおすすめしません。
のれんは、酸素室に入るのが苦手だから何かできないかな?と思っている方へ、一つのアイデアとして参考にしていただければと思います。
さいごに - 酸素室をレンタルして本当によかった
うちの犬は一時、生死をさまよいました。
実は酸素室を設置した日に一度心臓発作を起こしており、心臓と呼吸が一瞬止まったときはもうダメだと本当に思いました。
でもすぐに酸素室に入れて、そこで療養してからはみるみる元気になってくれました。
今は酸素室に入ることなく、ごはんも流動食しか食べられなかったのに、普通のドッグフードを食べるぐらいまで回復しています。
これも酸素室があったおかげだと思います。
酸素室に入れていなかったら、十分な酸素を得ることができずに苦しんで一生を終えていたかもしれません。
うちはもう使っていないので、獣医さんと相談して許可が下りれば酸素室はいったん返すつもりです。他の体調が悪いペットのおうちへまわせればと思います。
でも、もし何かあったらまたすぐにレンタルするつもりです。
この記事がこれからレンタルされる方の参考になれば幸いです。